エルカノ実在する?ブラックペアン2架空の医療AI?現実にあるのは?

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ブラックペアン2エルカノ実在する?架空の医療機器?現実にある医療AIとは?

TBS日曜劇場『ブラックペアン2』では、毎回天城医師のダイレクトアナストモーシスの手術シーンが素晴らしく、話題になっていますね!

毎回、手に汗握る展開もあり、毎週楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。

そして第4話で新たに出てきた医療AI「エルカノ」

聞き慣れないワードに、下記のような疑問をお持ちではないでしょうか?

エルカノって実在する?架空医療機器
エルカノって
医療AI現実にあるのは?

この記事を読むことで以下のことがわかります

・『ブラックペアン2』エルカノが実在するか
・『ブラックペアン2』エルカノの声が誰か
・現実世界に実際にあるAI医療機器について

医療業界の最新情報を調査してみましたので、ぜひ参考にしてみてください!

目次

ブラックペアン2エルカノは実在する?実際にある医療機器?

『ブラックペアン2』第4話で初めて登場する医療AI「エルカノ」

引用元:ブラックペアンシーズン2公式HP

エルカノは、維新大が開発した最新AI医療機器で、野田医師(池田鉄洋さん)がオペを担当していました。

エルカノは、カルテを読み込ませると、一瞬で世界中の医療データベースから個々の症例に最適な医療プランを分析することができます!

さらに、オペ中にも画像の解析を通して、ナビゲーションして、医師を先導することができるというのです!

佐伯教授のライバルである菅井教授は、このエルカノを使うことで、AIを使ってどんな医師でも手術できることを示し、日本医学会のトップの座に近づこうと目論んでいるわけですね。

結局、医師の技術がないとダメじゃん…というツッコミどころはありそうでしたが(笑)

少なくとも「エルカノ」という名前の医療機器は、現実世界に存在しません!架空の医療機器です。
「スナイプ」「ダーウィン」と同様、ドラマ内での造語と考えられます。

第4話で初めて登場したエルカノですが、体内の複雑な構造がわかりやすく、3Dで立体的に映し出されていましたよね!

これは最新技術、医用画像ビューワー「Viewtify(ビューティファイ)」が使用されているようです。

Viewtifyとは、CT画像やMRI画像をリアルタイムで3Dに変換し、オペ中などでも体内の立体構造を正確に3DCGとして再現できる、次世代の技術のようです!

現在は、大学病院や神奈川県立こども医療センターなどで、研究や教育を目的として導入が進んでいるとのこと。

また、現実世界では、整形外科や脳外科などで、ナビゲーションしてくれる技術も出てきていますが(エルカノのように喋るわけではない)、専用メガネなどを付けることなく、裸眼で立体視できる点というのも、大きな特徴のようですね。

近い未来、この技術が活用された医療機器が実際に出てくるかもしれませんね!

ブラックペアン2エルカノの声は誰?

第4話で初登場した医療AI「エルカノ」。

音声で手術のナビゲーションもしていましたが、ドラマ放送中はその声にも注目が集まっていました!

エルカノの声は、三石琴乃さんです!

https://twitter.com/blackpean_tbs/status/1817545587954491524

三石琴乃さんといえば、日本の声優界ではとても有名な方です!

数えきれない程の出演作がありますが、誰でも知っていそうな一部の代表作を紹介します。

・美少女戦士セーラームーン(月野うさぎ/セーラームーン)
・新世紀エヴァンゲリオン(葛城ミサト)
・ドラえもん(のび太のママ)
・機動戦士ガンダムSEED(マリュー・ラミアス)
・ONE PIECE(ボア・ハンコック)

こんな素敵な声優さんが、エルカノの声を担当してくださっているなんて、とっても豪華ですよね♪

また、毎回術中に流れるクラシック曲も、下記記事でまとめています。

各話でなぜその曲が選ばれているかも考察しているので、ぜひ気になる方は読んでみてくださいね!

現実世界にあるAI医療機器は?

私たちの日常生活でも、AI(人工知能)は様々なところで耳にするようになりました。

例えば、「Siri」「Alexa」など音声アシスタントや車の自動運転、Chat GPTなどのチャットボットなど…

そして、医療業界でもAIがどんどん使われるようになってきています。

今回は「医療機器×AI」に絞って、現実世界で具体的にどんなものがあるのか、調査してみました!

①画像診断

日本でこれまでにPMDA(医薬品医療機器総合機構)に薬事承認された医療AI機器の中で、最も多いのがこの画像診断支援のためのAI機器です。

通常、医師はレントゲン(X線)や内視鏡、CT、MRI画像などを見ながら、病気の診断をしますよね。

しかし、この診断には豊富な経験や知識、スキルが必要です。

人間の目だけで見ると、早期の段階だと見つけるのが難しかったり、医師の診断能力に差が出てしまう可能性もあります。

そこで、これらの診断をサポートするために、様々なAI医療機器が開発され、承認されています!(認証は除く)

名称製販企業診断部位種類承認日
EndoBRAINサイバネットシステム大腸(病変検出)内視鏡2018.12.6
EIRL aneurysmエルピクセル脳血管MRA2019.9.17
類似画像症例検索ソフトウェアFS-CM687型富士フィルムCT2019.12.25
EndoBRAIN-EYEサイバネットシステム大腸(ポリープ)内視鏡2020.1.24
EndoBRAIN-UCサイバネットシステム大腸(潰瘍性大腸炎)内視鏡2020.4.27
肺結節検出プログラムFS-AI688型富士フィルム肺(肺結節)CT2020.5.8
InferRead CT PneumoniaCESデカルト肺(COVID-19)CT20202.6.3
AI-Rad コンパニオンシーメンスヘルスケア肺(肺結節など)CT2020.6.19
Ali-M3メディサイエンスプランニング(旧MICメディカル)肺(COVID-19)CT2020.6.29
EndoBRAIN-Plusサイバネットシステム大腸(病変鑑別)内視鏡2020.7.15
EIRL X-Ray Lung NoduleエルピクセルX線2020.8.20
EW10-EC02富士フィルム大腸(ポリープ)内視鏡2020.9.2
RN-デカルトCESデカルト乳房(がん)超音波2020.11.24
WISE VISIONNEC大腸(がん)内視鏡2020.11.30
COVID-19肺炎画像解析プログラムFS-AI693型富士フィルム肺(COVID-19)CT2021.5.26
胸部X線画像病変検出(CAD)プログラムLU-AI689型富士フィルム肺(肺結節など)X線2021.7.7
肋骨骨折検出プログラムFS-AI691型富士フィルム肋骨(骨折)CT2021.9.1
KDSS-XR-AI-101コニカミノルタ肺(肺結節など)X線2021.10.11
DoctorNet JLK-CRPドクターネット肺(COVID-19)X線2021.12.9
HOPE LifeMark-CAD富士通Japan肺(COVID-19)CT2021.12.24
nodocaアイリス咽頭(インフルエンザ)専用カメラ2022.4.26
SCO-PA01キャノンメディカルシステムズ肺(COVID-19)CT2022.6.2
EW10-EG01富士フィルム胃・食道(がん)内視鏡2022.9.28
EIRL Colon Polypエルピクセル大腸(ポリープ)内視鏡2022.11.14
gastroAI-model GAIメディカルサービス胃(がん)内視鏡2023.12.26
早期胃癌深達度AI診断支援システムオージー技研胃(早期がん)内視鏡2024.3.5
スマートオピニオン METIS EyeSmart Opinion乳房(がん)超音波2024.5.9
日本で承認されているAI医療機器

たくさんあって訳わからない!という方もいるかもしれませんが、簡単にまとめると、AIを用いることで

・内視鏡検査中に大腸ポリープやがんを見つける
・胸部レントゲン写真より肺結節と呼ばれる影を見つける
・脳MRA画像から脳動脈瘤と呼ばれるコブを見つける
・乳房超音波検査中に乳がんを見つける
・新型コロナウイルス肺炎を含む感染性肺炎の感染有無を判定
・インフルエンザの感染有無を判定

というようなことが、できてしまう訳ですね!

AIは大量の正常画像と異常(病変)画像を学習することで、「これはがん」「これはがんでない」等と判断できるようになります。

医師だけで判断するよりも、病気の見逃しを減らせたり、早期発見に繋げることができます。

ただし、勘違いしてはいけないのは、最終的に診断を確定するのは医師です。

あくまでAI医療機器は、医師のサポートをする道具にすぎません。

②手術支援

AIを活用した手術支援は、安全上の課題などから、上記で紹介したとおり、手術前の画像診断などがメインでした。

ただ2024年4月には、手術中にリアルタイムに使える国内初の支援プログラム医療機器として「Eureka α」が薬事承認を取得しました!

「Eureka α」は胃、大腸、鼠経ヘルニア領域の手術において、リアルタイムに疎性結合組織の位置や領域を推定し、強調表示(上画像の青くなった部分)することで、医師が構造物を認識しやすくなり、安全な手術を行いやすくなるようです。

疎性結合組織とは…
全身に分布する線維性の構造物で、臓器と臓器をつないでいます。

手術中は目的の臓器や組織を露出する操作、剥離が非常に重要で(失敗すると大出血や神経障害などにつながることも)、どれが結合組織かわかるようになると、剥離操作も安全に行えます。

他にも、このような手術支援AIは開発中のものが沢山あります!

一部リサーチしたものを紹介します。

・骨盤内腫瘍の内視鏡外科手術:Jmees
・脳血管内手術:iMed Technologies
・腹腔鏡下胆嚢摘出術:オリンパス、エルピクセル
・胃がん手術(腹腔鏡下、ロボット支援下):ヒューマノーム研究所、東京医科歯科大学

また、実は海外では、手術中のAI活用は日本ほど進んでいないようです。

なぜなら、臓器・症例画像の共有に課題があるためとのこと。

米国や欧州では、個人情報保護の観点から規制が厳しく、さらに画像データを一種の資産と考える傾向があるため、なかなか研究機関に画像データが集まらないそうです。

2024年1月に厚生労働省により「手術用画像認識支援プログラム」が新設されたこともあり、今後国内ではどんどん手術支援AIが発展していきそうですね!

まとめ

TBS日曜劇場『ブラックペアン2』第4話で登場した医療AI「エルカノ」について、実在するのか調査しました。

「エルカノ」という医療機器は、現実世界では存在しませんが、これから注目の最新技術、3DCGで表示できる医用画像ビューワー「Viewtify(ビューティファイ)」が使用されていました。

また、「エルカノ」の声は、三石琴乃さんでした!

現実世界にあるAI医療機器についても紹介しましたが、国内では、画像診断支援に関するAIと、手術支援に関するAIが多数承認されています。

AIの力も借りながら、近い将来、どんな病気でも診断の見逃しが減ったり、早期発見につながるようになると良いですね!

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